All
Book
Music
Movies
Goods

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

2015.04.09

 

Translation of author 日本語

このところ沖縄の普天間基地の辺野古移設に関して、沖縄と国が対立をしている。国の対応はどうにもおかしい。沖縄県民の怒りはもっともだと思う。

 

ただ、今のままでは、(いくら国の対応がおかしいと叫んでも)辺野古移設が進んでいってしまうように思えてならない。おそらくいつものように、他の大きなニュースが報道されている間に、その報道の陰に隠れるように、こそこそと(粛々と…)、移設に向けて事が進んでいってしまうように思えてならない。

 

僕はそうなることを望んではいないが、そうならないために何をすればいいのか、正直、まったくわからなかった。

 

そもそも、数年前から僕は日本にはどう考えてもおかしいことが多すぎると感じていた ――― 。

 

「民主党が政権交代となる可能性が高そうな大事な選挙の前、ありえないタイミングでの(政権交代後に主役になるであろうと思われた)小沢さんの秘書の逮捕劇」

「(基地の県外移設を目指した)鳩山さんの不可解なほどあっけない失脚」

「なぜ、日本の首相は絶対に公約を守れないのか?」

 

僕にはどう考えても、表には見えていない、“裏の力”が働いているように思えてならなくなっていた。でもその正体がなんなのか、いまいちよくわからなかった。

 

そして、3.11以降、その“おかしさ”をますます顕著に感じるようになっていた ――― 。

 

「なぜ、人類史上最悪の原発事故を起こした日本が、いままた再稼働に踏みきろうとしているのか?」(それもやけに慌てて)

「なぜイラクから戦後8年で撤退した米軍が、沖縄で新たな基地を建設し始めているのか?」

 

とてもじゃないけど、国民主権とは思えない。

いったい本当の権力の所在はどこなのか?

自民党なのか?

経済界なのか?

アメリカなのか?

既得権益者なのか?

それともいわゆる原子力村なのか?

 

それら辺りのような気もするけど、そのどれかだとしても、そのすべてだとしても、“おかしさ”をすっきりと説明できるだけの論拠にはならないように思えた。そんなことだけでは説明のつかない程、“おかしな”ことがあまりに多すぎて、その“おかしさ”も、「どこかの誰かの私益のため」と考えるには、度が過ぎているように思われた。そして、どうにもよくわからなくなっていた。

 

でも、この本を読んで、僕はとてもすっきりとその正体が見えた気がした ――― 。

 

「戦争が終わって70年は経つが、現代の立憲国家として日本は今でも、まったく独立国ではない」というこの本の主張に基づいて考えると、“おかしさ”の正体がとてもクリアに見えてくるのだ。

 

そして、その主張を咀嚼していくと、ここ数年の“おかしさ”どころか、僕がずっと前から違和感を感じていたとても大きな疑問の答えにもなっているように思われた。

 

その疑問とは、「戦後の日本の経済成長って、いくらなんでもすごすぎないか?」ということだ。

 

戦後の日本の経済成長は、人類史上類を見ないレベルのものだ。もちろん戦後、日本人は頑張ったのだろうとは思う。朝鮮戦争などの時代背景的な追い風もあったし、そもそも日本人がそれなりに優秀で勤勉だったのだとも思うけど、それだけで、あんな奇跡のような経済成長って可能なのか?と、どう考えても疑問が残った。

 

だって、あれだけ戦争をして、あれだけめちゃくちゃにやられた歴史が日本にはあるのだ。その上、その敗戦によって、国際情勢的には完全に『信頼のない国』であったはずなのだ。それがあんなに短期間であんなに奇跡のような経済発展をするって、普通に考えて、「そんなに“うまい話”があるはずない」と思えてならなかったのだ。

 

そんな疑問も、「立憲国家として日本は、実は独立国ではない」ままに、でも高度な(?)政治判断でそんな意識を日本国民に持たせないようにしながら、それと引き換えに経済発展を遂げてきた、と考えればアメとムチの帳尻がちょうどぴったりとバランスするように思えてくる。こんな風にいうと、まるでなにかの「陰謀論」のように思われるかもしれないが、この本はとても実証的に書かれているのでご安心を。もちろん感情論とかでも全然なくて、実にきちんと細かく調べられた資料とともに、明確に記述されている。

 

だから、むしろ知らなかった事実を突きつけられて、最初は愕然とした気持ちにもなるかもしれない。でも、本書では謎が解かれていく快感を感じながら、無理なく読み進めて行けるように難解なことも、やさしくわかりやすく書く工夫がされているから、最後まで読んでみてほしい。

 

嘘とごまかしばかりの権力者。

保身しか考えていない既得権益者。

何度やっても自民党が圧勝するという、私個人的にはまったく不可解な選挙。

異常なまでの高齢化と、もはや差別レベルの世代間格差。

悪化する一方の財政状況。

 

そもそもあんな奇跡的な経済成長の中で、なんでそんなに借金作ってしまったの?

その借金を作ってきた「世代」、でも日本の資産の大半を保有している「世代」が、その「世代」だけが、もっと税金払ってでも日本の借金を返すべきじゃないの?

にもかかわらず、その「世代」だけが、優遇される政策ばかりって…本当に頭がおかしいのかな?

借金も放射能も若い世代にばかり押し付けてんじゃねーよ。。。

このまま状況が変わらないなら、もう日本という国に見切りをつけた方がいいんじゃないだろうか…。

 

近年、特に3.11の後、日本という国に強烈な行き詰まり感を覚え、未来に向かってなにをしたらいいのかわからなくなっていた僕は、この本を最後まで読むことで、日本の未来にようやく少しだけ希望が見えた気がした。

 

まずこの現実を知ること。そして、この現実としっかり向き合うことで、ようやく未来に向かって何をなすべきかが見えてくるような、そんな気がする。

 

もう、最初に『結果』があって、そこに辻褄をあわせるように『解釈』や『理屈』でごまかすようなことばかりするのは終わりにしてほしい。そんなことに労を使うよりも、もっと本質的なことに労を惜しまず使って欲しいし、使っていきたい。多少の痛みがあっても、きちんと自分の足で立って、自分の足で歩いていく国になって欲しいし、していきたい。

 

そうやって、やるべきことをコツコツと積み重ねたその先に、基地問題の解決の糸口もあるのだと思えます。多くの人に読んでもらいたい一冊です。

 

 

このセレクターの選んだアイテム

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

2015.04.09

[DVD] 老人と海

2014.09.16

日本の島ガイド『SHIMADAS(シマダス)』

2014.08.08

最新アイテム

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

2015/04/09

[DVD] 老人と海

2014/09/16

西表島自然誌 幻のオオヤマネコを求めて

2014/08/09

more
人気アイテム

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

2015/04/09

[DVD] 老人と海

2014/09/16

西表島自然誌 幻のオオヤマネコを求めて

2014/08/09

more