海とごはん[ボラカイ島]#009「ボラカイで出会った人々」

2015.05.05      Translation of author 日本語

ボラカイ島ではいろいろな出会いがあったが、特に印象的だったのはそこで働く人々だ。

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例えば今回の宿泊先だったシャングリ・ラホテルのスタッフはみな徹底的な教育を受けただろうことはもちろん、誰もが高いホスピタリティを持っていた。初日のチェックイン時、なじみのある韓国語で私たちの旅の疲れと緊張を一気にほぐしてくれた韓国人の若い女性スタッフがいた。彼女はこの島で生活しているという。母国からの観光客を異国で迎える彼女はこの島でどんな暮らしを送っているのだろう、彼女の優しげで聡明な眼差しを見ながらふと思った。

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ホテルスタッフのおかげで滞在中私はまるで女王にでもなったかのような気分。美しいプールとプライベートビーチに禁止事項などは一切書かれておらず、にこやかでマッチョなスタッフたちがずっと見守ってくれていたし(客に泳ぎ方のレクチャーを頼まれているフレンドリーなスタッフもいたなあ)、どのスタッフも廊下ですれ違うときには必ず笑顔で「Hello」と声をかけてくれ、エレベーターに乗ろうとしたらすぐにボタンを押してくれる。いたれりつくせりに慣れていないのではじめは恐縮してしまったが、彼らのふるまいはとてもナチュラルでまったく気取りがない。こちらも「Thank you」と素直に受け入れられるようになった。

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ホテルの外にも働く人々はあふれている。やはり島の主要な産業は観光らしい。みやげ屋からアクティビティ、レストランなど、さまざまな形で各国からの観光客を相手にしている。みな仕事熱心で、でもどこかのほほんとしていて陽気なのが印象的だった。

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旅の終わり、空港に向かうバスの中で添乗員さんがこんな話をしてくれた。“フィリピンには自分の人生に満足している人が多い”。それを聞いていろいろなことが腑に落ちた。ボラカイ島の人々に対して心のどこかに「貧しくてかわいそう」という思いを抱いていたことを自覚したのだ。でもそれは大きなお世話なのだろう。新しい幸せの形を知ったこと、それはボラカイ島の旅がくれた人生の財産だ。

 

 

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