海とごはん[済州島]#009 「海辺のあわび粥」

2015.01.20      Translation of author 日本語

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おいしいあわび粥を食べようと「海女の家」という海岸沿いの食堂に行ってみた。外観はなんてことない小屋のような建物なのだが、一歩足を踏み入れてみるとほぼ満席という盛況ぶりだ。席に案内されひと息。大きく開かれた窓から外を見ると、静かな海が広がる。水平線に時折通る船や目の前の堤防を悠々と歩く猫を見つめていたら、のんびりした空気につられてぼーっとしてしまった。

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やはりほとんどの客が食べていたのがあわび粥だ。というか、この店のメニューがあわび粥と海の幸の刺し身しかない。おばちゃんが手際よく並べてくれたおかずをちびちびとつまみながら待つ。まずは海の幸の盛り合わせがやってきた。タコにサザエ、ホヤ、ナマコが一皿に敷き詰められていて、その新鮮さは見るだけでわかる。タレや薬味なしでも天然の塩気がちょうどよく、それぞれの食感の違いを楽しみながらどんどん箸が進む。さらにしばらく待つといよいよあわび粥が登場!白い器の中には黄金色に輝くお粥がたっぷりだ。ひと口食べてみると、ふんわりとしたお粥とあわびの弾力、ふたつの食感が合わさって身体いっぱいにおいしさが染みわたっていく。窓から入ってくる潮風を感じながらいただくあわび粥はとても贅沢なごはんだった。

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おいしいものって、決まって食材が生き生きしているなと思う。そしてそんなごはんを食べたときには自分でも驚くほど幸せで満ち足りた気持ちになれるのだ。その土地の恵みをその場で味わえる島旅のごはんはいつも、私に食べることの喜びを再確認させてくれる。

 

 

 

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