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海とごはん[済州島]#008 「秘密の花園でアートを」

2015.01.13      Translation of author 日本語

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素晴らしい経験になったポドホテルの宿泊。後ろ髪をひかれるように後にするその瞬間、夫が「この近くに伊丹潤さん(ポドホテルの建築家)の作品が見られる場所があるらしいから行ってみよう」と提案してくれた!二つ返事でさっそくその「PINX BIOTOPIA」に向かうことに。敷地内は見渡す限り緑!さまざまな植物が生息していて、その中に100余りの住宅も建てられている。その住宅群も伊丹氏が手がけたものだということだった。入居者のプライバシーを考慮して、ポドホテルの宿泊者とBITOPIA内のレストラン利用客だけに開放されているらしい。済州島の秘密の花園といったところだろうか。

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伊丹氏の作品をひとつずつ巡ってみた。伊丹氏の作品に共通するのは「自然の素材、あるいは自然そのものを活かすこと」だそう。ここで見ることができるのも「水」「風」「石」という、いずれも自然にちなんだテーマを持つ3つの美術館と「二つの手の美術館」だ。

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風の美術館は長方形の建物にわざとすき間のあいた木の壁をつくり、そこに吹き抜ける風を全身で感じることができるというもの。風の強弱や方向で居心地が変わり、五感が研ぎ澄まされる。

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次に見たのが石の美術館。赤茶けた鉄板でつくられた建物の中は薄暗く、ぽっかりと切り取られただけのようないくつかの穴があるだけ。そこから差し込む光によって、館内とそのすぐ脇に置かれた石が照らされている。光と石のコントラストが面白い。

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二つの手の美術館は祈るように手を組んだ形を表していて、中に入るときにはその手に包まれにいくような不思議な感覚を覚えた。

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そして私がもっとも魅了されたのが水の美術館。円形の石の建物は天井がまるっとくり抜かれていて、そのまま空とつながっているよう。足元には四角くかたどられた枠いっぱいに水が張られている。その日は曇り空で風もあまりなかったので、水面はずっと静かなままだった。普段の自分なら退屈ですぐに飽きてしまっただろう。そんな静寂も楽しむことができたのは伊丹氏の建築によって、その日、その瞬間の自然の姿を受け入れることができたからかもしれない。

自分も自然の一部である、伊丹氏の作品で改めてそう感じることができた。

 

 

 

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