リシリレブン#003 「ハレ」

2015.01.10      Translation of author 日本語

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実に記憶に鮮明に残っている。

利尻山から下山したその足で港へ向かうとちょうど御神輿が渡御しているところだった。御神輿の先導は華やかな着物を纏い天狗のようなお面をつけてゆったりとフェリーのりばの前を歩いていた。

その後から白い半纏を身にまとった担ぎ手達が、ず太い声で掛け声をかけながら御神輿を担いでいる。半纏の丈は長く足元まで及ぶ。下半身は股引のような細身のものではなく、ドカンと言われるような太身でストレートのダボズボンを纏っていた。

半纏の背中には菊の御紋、利尻山、鳥居の3つが上から順に描かれていた。神輿の担ぎ方や掛け声も独特で興味を惹かれたが、なによりその半纏の背中の絵柄があまりに衝撃的だった。菊の御紋を太陽に置き換えて考えてみると、鳥居と神社と太陽の位置関係が実際の空間と同じ構図になっていたのだ。何ともリアリティのある直接的なデザインに、見てはいけないものを見てしまったときのような恐怖心を抱いてしまった。

いつだか山岳信仰と太陽信仰について考えたことがあった。目の前に大きな山があると人々はそれを信仰し修業の場として山頂を目指すようになる。度重なる山行の結果、頂上にたどり着くことが出来るようになると、次に見えてくるものがある。それは太陽だ。頂上から眺めるサンライズやサンセットはこれほどない美しさであるし、これまでにない距離で浴びる日光の刺激は心地よい。そうやって山岳信仰の先に太陽信仰がある。なんてことを考えたことがあった。

利尻山神社の半纏を見た時に、その思考がそのまま図像化されているように思えたのだ。

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もし機会があれば、少しだけでも担がせて欲しい。御神輿を見る前まではそんな気持ちもあったが、それはすぐに吹き飛んでしまった。地元の神輿会に入って少しは担げるようになってきた自信はあった。しかし、神輿を担げることと担ぐことの意味は大きく異なることに気がついた。放浪者の出る幕はない。そう悟った。

御旅所には大漁旗が掲げられ豊漁と漁師の安全が祈願されていた。ここは確かにハレの場であった。

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夏祭り動画キャプ【INDIVIDUAL】#018 夏祭り – 利尻島 / Summer festival – RISHIRITOH 

 

 

 

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