海とごはん[済州島]#005 「青い海、緑の山、白い馬」

2014.12.10      Translation of author 日本語

城山日出峰のふもとには乗馬ができる場所があり、広々とした草の大地をよくしつけられた馬たちが観光客を乗せて悠々と駆けている。

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馬に乗るのが憧れだった私、これは絶対にやりたいと迷わず受付へ。まだかまだかと順番を待っていると、きた!私たちを乗せてくれる馬が近づいてきた。しかも一頭は白!なんかかっこいい白い馬だ。しかし残念なことに、白馬には夫が乗ることになってしまった。素敵な王子様が乗るものだという崇高なイメージの白馬にまさか夫が。私はなんとも複雑な心境だった。

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気を取り直し、よろしくねという気持ちを込めて、私を乗せてくれる茶色の馬をそっとなでてみる。するとじんわり温かい体温が手のひらに伝わって、気持ちが少しほぐれた。踏み台を使ってまたがってみると、やはりけっこうな高さを感じる。鞍がなかったらバランスもとりにくいはずだ。身ひとつでまたがって走るなんて時代劇の役者はすごいと改めて思った。

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さあ、いよいよ出発。係員に綱を引かれて限られた空間を歩くだけではあるが、右手に山、左手に海を見ながら心地良いリズムで揺られていると風がすっと通り抜けていき、それがなんともいえない快感だ。馬の背中で目を閉じてみる。風を切る感覚がいっそう強くなり、いつまでもこうしていたいと思えた。

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柵の中を一周し、あっという間に時間が来てしまった。馬にお礼を言ってまたそっと触れてみると、やはり生き物の温かさが感じられて私はなんだか切なくなってしまった。いつか誰を乗せるでもなく、この高い山の上まで颯爽と駆け上がってみてほしいな、目前に広がる海まで自分の好きな速さで走っていってほしいな、そう思った。

 

 

 

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