ヤエヤマトリップ#002 IMFとオリオンビール(西表島)

2014.10.10      Translation of author 日本語

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チューニングを終えた僕らは、南風見田の浜から大原地区へと戻りとあるお祭りに辿り着いた。
そのお祭はIMFことイリオモテ・ミュージック・フェスティバルであり、日本で一番早い夏フェスとも呼ばれている。
サトウキビの収穫が終わる4月の中頃に西表島の大原地区で開催されるフェスだ。昔で言う収穫祭というやつだ。
とりわけ、このお祭りを目的として西表島を目指していた訳ではなかったのだけど、いくつかの繋がりがあって祭りに着地した。

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入り口のゲートには「Welcome to IMF 」と高々と掲げられていた。
その先にある、開けた空間にはティピやテントが立ち並び、ステージからは四つ打ちのサウンドがやんわりと鼓膜を刺激してきた。
地域のお祭のようにも見えるし、世界各地の秘境で開催されるギャザリングのような雰囲気もした。

オリオンビールを片手に会場をプラプラしていると、フーさんを見つけた。フーさんは、職場の先輩でこの日は祭りのスタッフとして参加していた。

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ちょうど西表島へのトリップを決めた頃、社内でフーさんと知り合った。
何気ない話の中から「西表島」という言葉がこぼれ落ち、僕のアンテナはすかさずその単語を拾い上げた。
それから出発までの間に、何度か会う機会があり西表島の話を聞いては、トリップ妄想をしていた。
ある時、仕事の休憩の合間に白地図を渡すと、休憩の終わりには地図には記載されていない滝や地形の情報が書き記されて返ってきた。
その情報は、ネットやガイドブックにはない、リアルな経験知による情報で、僕のトリップ魂に火が着いた。

そもそもフーさんは西表島のガイドで、6月〜9月の三ヶ月間を西表島で過ごし、それ以外の期間は、僕と同じ会社に勤めるというライフスタイルを確立している。
そのライフスタイル自体、魅力的でたまらない。

 

炎天下の中で飲むオリオンビールは、とにかく美味しい。
タイでシンハーを飲むのが美味しいように、沖縄で飲むオリオンビールは格別だ。
そんな炎天下の中、四つ打ちが心地いいのだけれど、あまりに炎天下すぎてテントから出ることが出来なかった僕らはテント内でオリオンを片手にまったりとした八重山の島時間を堪能していた。

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そんな島時間を過ごしているとまた一人懐かしい仲間がやってきた。
その彼とは、小浜島での季節労働を終え西表島にやってきた「よったん」だった。
よったんは、一年の半分を季節労働に当てて生計を立て、残りの半分は海外へパーティートリップ出かけるライフスタイルで過ごしている。
近年では、夏はアルプスの山小屋で働き、下山するとインドへ繰りだしていた。
彼と僕は、小中学校の同級生で、同じサッカークラブで多くの時間を共にした、幼なじみだ。
そんなよったんが西表島にやってきたことで、すっかり八重山に来ていることを忘れてしまうほどだった。

 久しぶりの再会に会話ははずみ、オリオンビールの消費はさらに加速した。ビールを片手にときおり遠くに目をやると、刻々と過ぎる時間と共に移り変わる祭りの様子が見て取れた。

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地元の子どもたちが泥だらけになって遊んでいる。長髪のヒッピーの様な旅人が半裸でポイを回している。
四つ打ちのリズムは絶え間なく響き、ステージの前では気持ちよさそうに踊る若者がいた。

それは、なんとも言えない絶妙なバランス感で、僕らは想像を超えてその祭りに撃沈してしまった。

 

 

 

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